皆さんは「かかりつけ薬剤師」をご存知でしょうか。「かかりつけ薬剤師」とは、薬による治療・健康や介護に関する事に対して豊富な知見と経験を持ち、そして患者さんや生活者ニーズに寄り添って相談に乗る薬剤師の事を言います。
治療を通じて、長期的な視野で目の前の患者さんが今後どうなっていくのかという評価を行っていきます。異論は多々あるかとは思いますが。残薬や副作用のチェック・薬の一元管理による重複投与・相互作用のチェック、これらの業務は当然の業務だと言えますが、薬剤師の仕事はそれだけではないのです。
患者さんと長期的に向き合っていく中で、行っている薬物療法について今後どのくらいの効果が期待できるのか・どのようなリスクが潜んでいるのかといった事を患者さん一人ひとりに対して評価していき、尚且つ患者さんの価値観も尊重・考慮した上で、必要に応じて処方提案などの介入を実践していくという事になります。
そのためには、薬剤の添付文書に掛かれている情報のみでは足りないと思うのです。臨床医学の論文など、こまめに論文の情報を得る事が大変重要になってきます。かかりつけ薬剤師として患者さんに関わっていこうと思うのならば、EBMの手法が必要不可欠だと言われています。
逆説的に言えば、かかりつけ薬剤師として長期的に患者さんに関わってくことで、患者さん一人ひとりの価値観は把握しているともいえるでしょう。かかりつけ薬剤師指導料の算定等もあります。
今日の日本ではますますかかりつけ薬剤師の需要・重要性は高まりを見せていくことでしょう。そしてかかりつけ薬剤師が増えればそのぶん切磋琢磨が行われやすくなるわけですから、私達も良いかかりつけを見つけやすくなるかもしれません。